世の中はバランスで出来ている
人を励ましたり、社会に貢献したとき、
前向きな気持になることはあるだろうか。
その原因の一つとして、自分が問題を好転させたことにより自己肯定感が高まった点がある。
でもそれは問題を抱えてくれた人がいるから成立することで、
その人が周りに貢献する機会を一つ奪ったことになる。
また、自分がアドバイスしたり、前向きな言葉を発することはあるだろうか。
それは役に立つアドバイスかも知れないが、
自分より何かの点で秀でてない人、問題を抱えている人がいるからこそ
自分は前向きに、理性的にアドバイスする「上の立場」にたてる。
常に理念に沿った正しい行動、発言をする。
それは立派に見えるけど、
その瞬間その人は確かに周りの人の「ポジティブの気」を吸い取っている。
誰かが貢献感や自己肯定感を得られる機会、承認欲求を満たせる機会を、奪っている。
私が今スタートアップをやっていられるのは、
図らずも、おそらく生きてきた中でたくさんのひとからポジティブの気を吸い取ってきたおかげだろう。
そして社会にvalueを生み出し続ける間は、引き続き誰かのそれを奪い続ける。
本当に立派な人は、
人に自己肯定感が得られるように機会を与えられる人なのだと思う。
だから、
自分が前向きで理性的でいられるときは、
積極的におどけたりわざと変なことをしてみたりする。
だめなところを見せる。人に任せたりする。甘える。
決して傲慢にならず。
自分が社会に、相手に、プラスを与えられるのは、
相手がマイナスになっていてくれるから。
世の中はバランスで出来ている。